2011年4月19日火曜日

CSFB(Circuit Switched FallBack)とVoLTE

以前から書いてはいるが、LTEは当面データ通信に特化したネットワークとなる。LTEは無線回線の呼び名であるため、この場合SAE(system architecture evolution)と呼んだ方がいいだろう。

LTE(SAE)がデータ通信に特化した場合音声通信はできないのか・・と疑問に思うが、音声通信に関してはいろいろと検討されており、そのひとつの方法が今回のタイトルのひとつCSFB(Circuit Switched Fall Back)というものだ。

回線交換の方法には大きく
・ サーキットスイッチ方式
・ パケットスイッチ方式
http://3g4g.blogspot.com/2011/02/circuit-switched-fallback-csfb-quick.html
の2つがあり、サーキットスイッチ方式つまり昔の方式にもどるのがCSFBだ。つまり、LTEの端末で音声通信を行おうとすれば、レガシー(2G、3G)のネットワークを使用し音声通信を行うというものだ。そのため、LTE端末にはレガシーのテクノロジも搭載したマルチモード(LTE+WCDMAなど)端末が主流となる。

この他の音声通信の方法としてはLTEのパケット回線で通信するVoLTEがあり、今年のWMC2011で米国ベライゾンがデモを行った。


日本のキャリア4社(NTTdocomo, KDDI, softbank , eAccess)は未だVoLTEの技術の採用を表明していない。一方、ベライゾンに関しては当面はCSFBで対応する方針だが、2012年ころを目処にVoLTEのサービスを開始したい、としている。

つまり、ベライゾンの方が世代交代(2・3世代→4世代)が早くできるこということだ。もちろん世代交代を早くするメリットは大きい。
・ 新しい世代のテクノロジの方が周波数利用効率が高く、ユーザ数を多く収容でき、収益性を上げることができる。
・ 1つのテクノロジのみのサポートでよく端末、また基地局側のメンテなどコストを削減できる。
などだ。いずれも企業としてはおいしいものだ。

実のところ最近の携帯電話会社は皆、収益性に苦しんでいる。データ量の増加に加え定額料金のため、追加の設備投資は全て赤字となって負担になってくるのだ。

LTEの高速通信でその斬新さをアピールしたところで、やはり赤字経営が待っているのだ。やはり企業たるものROI(Return of Investment)を考えねばならず、VoLTEの技術はLTEには必須アイテムとなってくると考える。

日本のキャリア会社さんはどう今後展開するか、見物である。

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